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関西中学アメリカンフットボール選手権 2回戦

日時:2025年5月5日  会場:立命館宇治G  対戦:立命館宇治中学校

第23回関西中学アメリカンフットボール選手権大会春季リーグ2回戦。啓明学院は、昨年の王者・立命館宇治中学校との宿命の一戦に挑んだ。舞台は立命館宇治の本拠地。快晴の青空のもと、試合は激しい攻防から幕を開ける。

前半は互いに譲らぬ展開。啓明学院はQB早原のスクランブルやショートパスで何度も敵陣に攻め込むも、立命館宇治の強固な守備に阻まれ得点に至らない。一方で、立命館宇治はWRへのパスで先制のタッチダウン。0-6と追いかける展開に。

だが、啓明学院はその直後のドライブで粘りを見せる。早原の巧みな判断と冷静なパス、RB近藤の力強いランで前進。最後はWR西村へのショートパスが通り、タッチダウン!さらにホルダー早原からRB山本への機転を利かせた2点コンバージョンも成功し、8-6と逆転に成功。チームは歓喜に包まれ、前半を終える。

後半、再び立命館宇治が逆転するも、啓明学院のディフェンス陣が奮闘。LB村上、近藤らが立命館のランを次々と止め、追加点を許さない。試合は膠着状態のまま、いよいよ最終第4Qへ。

時間は残り2分。スコアは8-12と再びリードを許していた啓明学院。しかし、ここからドラマが始まる。敵陣40ヤードからの最後の攻撃。早原が冷静にパスを通し、村上、西村、高原と次々にボールをつなぎ、着実に前進。そして敵陣17ヤード、残り時間わずかという場面。QB早原が渾身のロングパスを放つと、それをWR西村が執念でキャッチ!土壇場で逆転のタッチダウン!14-12。サイドライン、観客席、全てが歓喜の渦に包まれる。

だが、試合は終わっていなかった。残りは1分9秒。立命館宇治も王者の意地を見せ、ショートパスで着実に前進。試合終了間際、ラストプレイ。放たれたロングパスはなんとキャッチされ、エンドゾーン目前。しかし――ボールはわずかに届かず、タイムアップ!

試合終了のホイッスルと同時に、啓明学院は王者から歴史的勝利をもぎ取った。選手、コーチ、マネージャー、そして応援席が一体となり喜びを分かち合う。その光景は、ただの勝利ではない。努力と信頼、諦めない心の結晶だった。

準決勝、決勝がまだ待っている。けれどこの日、啓明学院は一つの伝説を刻んだ。胸を打つ感動を、ありがとう。