Jr.SAINTS

関西中学アメリカンフットボール選手権 準決勝

日時:2025年6月8日  会場:関西学院第3F  対戦:ジュニアインパルス

第23回関西中学アメリカンフットボール選手権大会準決勝。曇天の関学第三フィールドに響くキックオフのホイッスル。啓明学院は、強豪ジュニアインパルスと運命の一戦に挑んだ。

序盤は両者譲らず、膠着状態が続く。啓明学院は思うように前に進めず苦しい時間が続いたが、第2クォーター、LB村上のインターセプトで攻撃のリズムをつかむ。敵陣からの絶好のフィールドポジションで、QB早原が冷静にパスを展開。WR高原への正確なパスがエンドゾーンに届き、先制のタッチダウン。続くTFPも成功し、スコアは7-0。

だが、インパルスも粘りを見せ、前半終了間際に1点差へと詰め寄る。さらに後半開始直後には啓明が痛恨のスナップミスによりセーフティを献上し、7-8と逆転を許してしまう。重い空気が流れる中でも、選手たちは顔を上げて次の一手に集中した。

その中で、守備陣が再び奮起。CB西村のインターセプト、LB山本や近藤の的確なタックルで流れを呼び戻す。そして第3クォーター、相手のパントに対してLB今井が素早く詰め、キックをブロック。こぼれたボールをそのまま押さえ、好位置からの攻撃へとつなげる貴重な場面を演出した。

迎えた第4クォーター、残り時間わずか。敵陣33ヤードからの攻撃。QB早原が左へロールアウトしながら放ったパスは、WR西村の手に吸い込まれ、そのままエンドゾーンへ。再び逆転となる劇的なタッチダウン。スコアは13-8。

その後も攻防は続く。インパルスのラストドライブ。1点を追う彼らの執念に、啓明ディフェンスは全員で立ち向かった。最後のギャンブルパスは失敗に終わり、時計はゼロに。QBが膝をつくと、スタンドから大歓声が巻き起こった。

啓明学院13-8インパルス──。走り、つなぎ、守り抜いた40分。攻撃陣の勇気と、守備陣の冷静さ。そして、仲間を信じ抜いた心が一体となって掴み取った、価値ある勝利だった。決勝の舞台へ、彼らは誇りとともに歩を進める。