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第12回マリンボウル東西中学交流戦

日時:2025年6月29日 会場:関西学院第3フィールド 対戦:足立学園中学

日本一の中学チームを決める大会「マリンボール」。その頂点を懸け、関西王者・啓明学院と関東の強豪・足立学園が真夏の関学第三フィールドで激突した。気温30度を超える過酷なコンディションの中、全国の注目を集めた一戦が幕を開けた。

立ち上がりは両チームの堅い守備がぶつかり合い、緊迫した攻防が続く。試合を動かしたのは第2Q。啓明のQB早原が放ったミドルパスをWR西村が中央でキャッチ、そのままエンドゾーンへ駆け抜けて先制タッチダウン。続く攻撃では早原が自らスクランブルで左サイドを突破し、見事な追加点。キッカー西村のTFPも決まり、13-0と啓明が流れを掴んだ。

この得点シーンだけでなく、攻撃を下支えしたのがTE村上の存在だ。ショートパスの受け手として的確にスペースに入り、複数回のキャッチで前進を支えたほか、ブロッカーとしてもランプレーを外からしっかり固め、攻撃の潤滑油として貢献。彼の献身的なプレーは、華やかな得点の裏でチームを支え続けた。

そして、このリードを守り切ったのが、盤石のディフェンス陣である。DL財満は中央を突く相手QBに素早く反応しロスを奪う。時永と西本のコンビは息の合ったチャージでQBサックを決め、流れを啓明に引き寄せた。DL山本はゴール前の際どい場面で粘りのタックルを見せ、タッチダウン寸前で攻撃を食い止める。最前線で体を張り続けた4人が、試合全体のリズムを握っていた。

LB近藤は読みの鋭さでショートパスに即座に反応し、CB西村と山田は終始落ち着いたカバーで相手レシーバーの自由を奪った。LB今井も要所でのランストップに貢献し、冷静な判断で相手の勢いを断ち切る。すべての選手が自らの役割を全うし、まさに「全員守備」を体現した。

後半、足立学園は粘り強く反撃。第4Q終盤にはショートパスを織り交ぜながら前進を重ね、ついに1本を返して13-7と追い上げる。会場が緊張に包まれる中、足立は勝負を懸けたオンサイドキックを放つ。しかし啓明はここでも冷静だった。ボールを確実に押さえ、攻撃権を保持。そのまま時間を使い切って、試合終了の瞬間を迎えた。

この勝利の背景には、日々の鍛錬と絆があった。春のシーズンを通じて、選手たちは互いを信じ、声を掛け合い、支え合いながら一歩ずつ前へ進んできた。ポジションも、性格も、得意なプレーも違う者たちが、共通の目標に向かって歩幅を合わせてきた。そして、ぶつかり合い、励まし合う日々の中で、本当のチームワークが生まれた。

「Rise As One」――そのスローガンのとおり、全員が心をひとつにして戦い抜いた姿は、王者にふさわしいものだった。勝利をつかんだのは、スーパースターの個人技ではない。仲間を信じ、任された役割を全うした全員の力だった。

啓明学院セインツ。日本一おめでとう!!感動と勇気をありがとう。君たちの戦いは、見る者すべての心に深く刻まれた。